あどせんす!

2009年3月27日金曜日

【GDC】視点をずらして不可能の壁を乗り越える――「メタルギアソリッド」の小島氏

【GDC】視点をずらして不可能の壁を乗り越える――「メタルギアソリッド」の小島氏

コナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫氏
コナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫氏

技術とゲーム・デザインの関係
技術とゲーム・デザインの関係

メタルギア・シリーズの発展経緯
メタルギア・シリーズの発展経緯

 「Game Developers Conference(GDC)」の基調講演は,昨日の任天堂 代表取締役社長の岩田聡氏に引き続き,2本目も日本人が担当した。コナミデジタルエンタテインメントで専務執行役員 クリエイティブオフィサーを務める小島秀夫氏である。小島氏は大ヒット作「メタルギア」シリーズを監督した。

 講演のテーマは「Solid Game Design:Making the ‘Impossible’Possible」。不可能を可能にするゲーム設計,ということである。ここで不可能とは,目標に向かって乗り越えられない壁だ と考えると,「実は多くの場合,過去に経験していなかったことを不可能だと思いがち」(小島氏)。つまり今までの壁を飛び越えてきたとすると,飛び越えら れない高さの壁は「不可能」に見える。しかし壁を破壊したり台を使ったりする方法や,ちょっと引いてみると迂回する方法があることが多い。今までの考えに とらわれないことが必要だというのである。壁の高さはハードウエアの進化やソフトウエア技術の改善によって下げることができる。それでも乗り越えられない 部分を「ゲーム・デザインを工夫することによって乗り越える」(小島氏)。

 これをメタルギア・シリーズの開発に沿って説明した。最初のメタルギアが登場したのは1986年。対象機種は「MSX2」規格準拠のパソコンであ る。MSX2はゲーム性を重視したパソコンの規格で,処理性能はそれほど高いものではなかった。当時ゲームに適した規格と言われていたのは,グラフィック ス機構に「スプライト」と呼ぶ機能が入っていたため。スプライトは背景の画面に重ねてオブジェクトを表示させる機能で,MSX2ではスプライトを32個定 義できた。しかし,表示できるのは8個までと言う制約があった。

 メタルギアは当初,敵兵と撃ち合いをするコンバット・ゲームとして企画された。スプライトは色を付けるために2枚必要なため,敵兵二人にユーザー のキャラクターを表現するだけでスプライトが6個必要となる。これだと「弾丸を3発撃ったところでスプライトが限界になり,表示できなくなる。これではコ ンバット・ゲームとしては成立しない」(小島氏)。

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